NAVERまとめ月間300万ページビューのおいらが明かすまとめ記事の作り方


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computer nerd / wetwebwork


やーこんにちは。NAVERまとめで活動しているキュレーターのぐのっちです。おかげさまで月間300万ページビューを達成しました。ここでひとつ、自分自身の振り返りの意味も込めて、おいらが気をつけている「まとめ記事の作り方」を解説したいと思いマス。微力ですが、キュレーターみなさまのお役に立てれば、ほんのりうれしいです。
▽ 始めに


月間300万ページビューを突破しました。2012年11月20日からNAVERまとめの記事を作り始め、約4ヶ月での達成でした。明太子味さんのキュレーター指数では、総お気に入り数で第2位になりました。まとめ記事の作り方を教えてくれた先輩キュレーター、まとめ編集部のみなさん、そして記事を読んでくれた読者のみなさまに感謝の気持ちでいっぱいです。

それではまとめ記事の部位ごとに、おいらが「気をつけていること」を解説していきます。どうぞご笑読ください。
▽ 「タイトル」をつけるときに気をつけていること



Touch Ups / Ian Muttoo
タイトルは記事の「顔」となる部分です。おでんで言うと大根です。コーラで言うと炭酸です。気を抜いてはいけません。気をつけていることは以下3つ。

・勇気をもって、シンプルに言い切れ!


タイトルに複数の意味を持たせません。良いタイトルはシンプルでズバッと読者の心に届きます。読者を迷わせたり、混乱させるタイトルは最悪です。たとえ記事の中に複数の要素が盛り込まれていたとしても、「ガリガリ君が冷え性に効く理由と製造工場の整理整頓」なんてタイトルをつけてはいけません。本当に伝えたいことはひとつに絞りましょう。

・キーワードを目立たせろ!


タイトルの中のキーワードの位置も重要です。あなたの作ったタイトルが読者の目に触れるのは一瞬です。一瞬で記事の要点を伝えられなければ読んでもらえません。「シンプルなテイストがスバらしいガリガリ君」ではNGです。カタカナが多すぎて、ガリガリ君というキーワードが目立ちません。また、最後まで読まないとキーワードが出てこないのも良くありません。凡庸な言葉を最後まで読んでくれるほど読者は暇じゃないです。カッコ(「」【】『』)や引用符(“”)などに頼らず、キーワードを際立たせる方法を考えましょう。

・謎を示せ!お得感を提示しろ!危機感を煽れ!


詳細はこちらに書いていますので、ご参照ください。いずれの方法も、大事なのはタイトルと記事の内容が合致していることです。当たり前ですが。タイトルだけを重点的にするのではなく、内容も素晴らしいものでなければなりません。謎の提示に対しては答えを返し、お得感を示したら満足させ、危機感を煽ったら解決を書かなければ、読者は不満が残り、あなたの記事の信頼が無くなります。気をつけてください。
▽ 「サムネール画像」を選ぶときに気をつけていること



/ Abby Yi

・そのサムネは、12億PVの巨大サイトを飾るのにふさわしいか?


サムネールは、記事のお化粧です。コスメティクスです。みんなの前にでるのだから、きれいなお化粧をさせてあげましょう。特にNAVERまとめの場合、記事が注目まとめに選出されるとトップページに表示されます。12億PVを誇る巨大サイトのトップページにふさわしいサムネ画像かどうか、自問してから公開してください。

・自分の部屋に置くインテリアだと考える


あなたの「まとめ記事一覧」に並んでいるサムネ画像。気持ちの良い画像が並んでいますか?読者が記事を気に入ってくれ、あなたのまとめ一覧を訪れることもあるのです。そこはあなたの部屋です。サムネはあなたの部屋に置かれているインテリアです。あなたの趣味や趣向が、そこに現れます。トータル・コーディネイトしましょう。

・おいらがよく使う画像の入手先


商用無料の写真検索さん
GATAG | Free Photo 2.0
▽ 「まとめの説明」を書くときに気をつけていること



Imagine Cup 2012 - Day 4 Finalist Presentations / ImagineCup

・分けるは、分かる


「まとめの説明」は、記事の内容を3つか4つの要素に分解して書きましょう。「まとめの要約」です。ここでうまく分解できない人は、自分の作った記事の内容が分かっていないのです。分けられないのは分からないのと同じです。

・ツイートされることも考えておく


たまに「まとめの説明」も一緒にツイートされるときがあります。タイトル + まとめの説明 + URL の形です。そんなときのために、「まとめの説明」の文頭に「問い」を投げかけておくといいでしょう。「おでん、そのおいしさの秘密」というまとめ記事でしたら、「まとめの説明」の文章の出だしは、『ねぇ、おでん。あなたってなんでそんなにおいしいの? ほっぺたが落ちちゃうわ…。実はおでんのおいしさにはある秘密があったのです…』などと書けば、掴みの部分で謎を提示できます。
▽ 「画像」を設置するときに気をつけていること



Alone (higher resolution re-upload) / 'Ajnagraphy'

・性格に合った洋服を着せてやる


記事の内容が性格だとすれば、イメージ画像は洋服です。たまに文字だけのまとめ記事を見かけますが、それは洋服を着ないでスラム街を歩いているようなもんです。襲われても文句は言えません(おいらは作ったことないけど、書き起こしまとめだって画像が効果的に配置されていると、グッと情報量が増え、読者の理解が進みます)。まとめ記事の場合、文章を短く切り取って引用するわけですから言葉が足りず、説明不足がでてきます。不足している説明を画像の情報で埋めるのです。画像からは手触り・匂い・音など、想像上の情報が一瞬で手にはいります。パートごとに最適な画像を配置しましょう。

・『Zの視線移動』をケアしろ!


読者は、文章を左から右に読んでいきます。次の行に移るときは左下の文頭に視線が移動します。常に読者の視線移動は、『Z』の形をしています。ここで気にしたいのは、画像のアスペクト比です。縦横の比率です。おいらはいつも横長の画像を使っています。同じアスペクト比の画像を使うことで、読者の『Zの視線移動』のリズムを整えています。縦長の画像と、横長の画像が混在している記事を想像してください。縦長の画像のときは『Zの視線移動』が間延びします。内容に没頭してもらうためには、気持ちの良いリズムを作り出すのが良いでしょう。おいらが尊敬しているキュレーターのくまもちさんのまとめを見てください。『ショルダーバッグのコーデ色々!海外セレブの上品ファッション』。どうでしょうか?すべて縦長の画像で構成されており、視線移動のリズムが崩れません。読み終わったあとに気持ち良さでいっぱいになります。

・便利な画像検索テクニック


gettyimagesで画像を検索するとき、検索語に「縦長」を加えると縦長の画像が表示され、「横長」だと横長の画像だけが表示されます。例えば、「愛 縦長」と検索してみてください。縦長の画像ばっかりでてくるでしょ? これでアス比を揃えましょう。

・あえて、リズムを狂わせろ!


さきほど、横長の画像を使ってリズムを揃えていると言いましたが、おいらは最後の画像だけ縦長の画像を配置して、リズムを狂わせています。最後だけZの視線移動を間延びさせています。音楽用語で言うとリタルダンドです。記事の内容に没頭していた読者に、「さぁ、もう記事は終わりだよ!現実に戻ってきてね」と呼びかけています。いろんなリズムの出し方があると思うので工夫してみましょう。
▽ 「引用」するときに気をつけていること



writing in the journal / erink_photography

・引用は2行まで!


NAVERまとめの引用文のフォントサイズは、見出しと同じです。フォントジャンプ率が見出しと変わらないのです。読者にも重要な部分として捉えられます。さて、見出しが3行にも4行にもなっていたらどうでしょう。ソースこってりのお好み焼きと一緒に、唐揚げとチーズフォンデュを食べてるようなもんです。濃い味にげっぷがでそうになります。見出しと同じ大きさの引用も同じことです。3行も4行も続けてはいけません。引用は2行まで!

どうしても2行では意味が通らない場合、引用の下にコメントを入れるところがありますね。本来の使い方ではありませんが、おいらはここに引用文の続きを入れています。そうするとジャンプ率が変わって緩急がつきます。これが爽やかな風味を生み出します。お好み焼きを食べたら、ビールを飲みたいでしょう。

・不要な文頭・文尾は削れ!


もう一生治らないかもしれないと思ったけど掌も指も元通りになりました。

おいらの環境では、この文章を引用に挿入すると2行になります。最後の『ました。』の部分が2行目になります。いります? この『ました。』

もう一生治らないかもしれないと思ったけど掌も指も元通り

文尾を削りました。スッキリ。環境によって見え方は違いますが、不要な文章はない方がいいのです。言葉は短くシンプルに。これ鉄則。文章が長くてもいいのは谷崎潤一郎くらいなもんです。

・はじめに性格ありき。次に服を着せる


(画像まとめや動画まとめは、別として)引用文は、まとめ記事の性格です。本質です。根幹です。画像・サムネ・タイトルは、その上に着せる装飾に過ぎません。内容がしっかりしている記事にしましょう。おいらがまとめ記事を作る順番は以下です。

1.作りたいアイデアが決まったら、ざっと引用元を探しつつ、記事の構成を考える。
2.記事の構成が決まったら、パートごとに見出しを作る。プロローグ・エピローグ含めて、5パート〜8パートくらい
3.それぞれのパートに引用を設置していく。ひとつのパートに引用は2個〜4個。
4.引用文の設置が終わったら、それぞれのパートに画像を挿入。
5.内容に合ったサムネとタイトルを作る。
6.最後に、「まとめの説明」を書く。

最適な構成は、記事の内容によって変わります。なので、順番が前後することはけっこうあります。タイトルを思いついてそこから作り始める場合もありますし、サムネ画像から記事を作り始めることもあります。この記事は( 『子どもに言ってはいけない12の言葉』 )、サムネ画像を使いたくて作りました。子どもが耳を押さえてるから、聞きたくない言葉を言われたのかなぁ…って想像しながらテーマを探していたら、グールディング夫妻の「交流分析の禁止令」を見つけたわけです。現在5700いいね、はてブ900、1900RTになってます。
▽ 「ツイート」を設置するときに気をつけていること



TOPSY / rbrwr

・トプシー!トプシー!トプシー!


ツイート検索は、「TOPSY」しか使っていません。リンク・ツイート・写真・動画とコンテンツ別にツイート検索できます。おいらのツイートまとめ『ジワジワくる…おかんの言動がたまにおかしい』は、TOPSYだけで作りました。カテゴリを写真にして、「おかん」で検索すると写真が添付されたおかんに関するツイートが表示されます。ここからおやっ?と思うものを選んで行きました。おかげさまでこの記事は人気で、ニュースになりました。

・トレンドはついっぷる


万能TOPSYにはトレンド検索もありますが、ちょっと見にくいので、ついっぷるも使ってます。トレンドをいち早く掴まえるためには、TOPSYやついっぷるだけじゃダメだと思うのですが、おいらは速報まとめを作らないのでノウハウがありません。ごめんなさい。


・ハロー効果とウィンザー効果を使え!


まとめ記事に設置するツイートには、ツイート文の他に、ツイートした人の名前やアイコンなどが表示されます。これをうまく使うと記事の内容に重みを持たせられます。ハロー効果やウィンザー効果といった心理テクニックが使えますので、効果的に配置しましょう。

ハロー効果とは、偉い人や有名人の言うことは自然と凄いなぁと感じる心理効果のことです。映画の宣伝で枕詞に「全米ナンバーワン!」と言ったり、有名な雑誌のレビューを羅列するのも、ハロー効果を狙ったものです。例えば、『ヘルシーでうまい『水ゼリー』がネットで話題!』では、記事のトップに黒木メイサさんのツイートを使っています。これで掴みはOKです。うへへ(´థ౪థ) 幸いなことにTOPSYはアカウントごとの検索(検索オプション → 検索対象のTwitterユーザ → ユーザIDを入れる)ができるので、それぞれの業界の専門家のアカウントをチェックしておきましょう。

ウィンザー効果とは、直接聞くより、噂話のように第三者を介した方が信頼を得られやすい心理効果のこと。おいらが自分で「ぐのっちの作ったおでんは絶品なんだよ」と言うより、他人から「この前ぐのっちさんの作ったおでん食べたら、めちゃ美味かったよ」と言われた方がいいってことです。記事の内容に適したツイートを配置することによって、記事の信頼性がグッと高まります。アイコンと名前が表示されるツイートは、キュレーターにとって大きな武器になります。引用元の意見が曲解されるような使い方はしないように注意しましょう。
▽ 「動画」を設置するときに気をつけていること



YouTube video Brandweer Nederweert / mauritsonline

・旬のトレンドを押さえろ!


動画のトレンドは以下をチェックしています。

Trends Map Blog Dashboard
YouTube公式のトレンド検索。国・性別・年齢別に検索できます。共有数・再生回数でソートできます。ここに表示される日本のトレンド動画は、Yahoo映像トピックスなどですで紹介されていることが多いので、チュニジアやポーランドなどみんながあまり見ないような国を検索してみましょう。お宝動画が隠れているかもしれません。

YouTube Trends
非公式のトレンド情報。頻繁に更新しているので、チャンネル登録しておけば旬の動画が流れてきます。

Vimeo Staff Picks
vimeoのスタッフが選んだ注目動画。高品質のおりこうさんなビデオが並んでいます。vimeoらしいアートっぽいビデオをチェックするならここ。

Apple TV
Apple TVは、動画トレンドのチェックに意外と使えます。Trends Mapは上位10位までのトレンド動画しか表示されませんが、Apple TVだったらけっこう奥まで深掘りできます。vimeoのトレンド動画も、よい感じにカテゴライズされています。

・動画を挿入する際にバグがある!?


おいらだけかな? NAVERまとめの記事に動画を挿入しようとすると、まったく違う動画が表示されるのです。例えば、この動画(『Yodelling - Franzl Lang』)。ヨーデルキング、フランツル・ラングの素晴らしい歌唱です。これを挿入すると、違う動画(『GoGo's Vlog Number_9 [Slovensky] - Rakúsky Špeciál』)が表示されます。過去にも同じ症状が何度かありました。続くようであれば、まとめ編集部に報告しようと思ってマス。

・動画だけの武器を活用しろ!


動画だけの武器、それは映像と音です。毎度手前味噌ですが、この記事(『習慣という怪物を飼い慣らす方法』)では、三島由紀夫の名言ツイートで始まり、ドリカムの名曲で終わるという構成をとっています。良い習慣を身につけるためには、何度も何度も失敗するかもしれません。そんなときに、諦めずに続ける希望を歌ったドリカムの『何度でも』の歌詞がピッタリはまりました。また、この記事(『あたりまえに周りにある3つのこと。』)では、宇多田ヒカルさん、坂本龍一さんのツイートから始まり、BUMP OF CHICKEN『supernova』で終わる構成をとっています。

音は空気が震えて読者の耳に伝わります。まとめ記事を通して伝えたいことも音と共に読者に伝われば、これ以上幸せなことはありません。
言語感覚を磨く良書3冊

キュレーターは、ネットに点在している情報を集め、新たな価値を付与し、読者に提供する存在です。ヒップホップのトラックメーカーがビートをスライスしてミキシングし、新しい楽曲を生み出すのに似ています。キュレーターは、言葉のDJです。言語感覚のセンスが大切です。幸いなことにこのセンスを磨くことのできる書籍が3冊あります。どれもおいらが繰り返し読んでいる良書です。



文豪 谷崎潤一郎が書いた『文章読本』。読本となってるけど読み方ではなく、文章の書き方の本です。著者は、文法に囚われずリズムを重視することや、名文に触れ感覚を研ぐことを本作の中で薦めています。志賀直哉の『城の崎にて』を挙げて、美しい文章の説明をするくだりは一見の価値があります。この本がベストセラーになったことから、文豪達が次々と『文章読本』を綴りました。三島由紀夫『文章読本』、丸谷才一『文章読本』、川端康成『新文章讀本』、井上ひさし『自家製文章読本』などがそれですが、まずは谷崎版『文章讀本』から入るのをお勧めします。



元国学院大学教授の佐藤信夫先生の代表作。生涯をレトリック研究に捧げた著者ならではの絶妙な言い回しのうまさに唸ります。『レトリック認識』『レトリックの記号論』など関連書籍があるので、合わせて読むと良いでしょう。

 

亡き佐藤信夫先生の意思を引き継ぎ、佐々木健一・松尾大が完成させたレトリック辞典の決定版。レトリックを本気で学びたい人は、必須の書。
最後にお詫び



Sorry on Australia Day-sky writing, National Apology Day / butupa
わかりやすい記事にするため、以下を行いました。

・古参のキュレーターのように書いた。
・自分のやり方を、まとめ作成の常識のように書いた。
・偉そうに書いた。

まとめてお詫びします。ごめんっぴ。

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